女性の生理には通常25日~38日の周期があり、その間に妊娠に備えて卵子が育ち、子宮内膜を受精卵が着床しやすい状態に成熟させます。
着床がなかった場合、不要になった子宮内膜がはがれる事で生理が起こります。
月経周期におけるこのような変化は「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンによって調節されており、分泌のバランスが乱れることによって、生理周期は乱れたり、体調や心身に現れてきます。
目次
- 生理周期による変化
- 不調の原因はホルモンバランスの乱れかも?
- ホルモンバランスを整える方法
- からだの変化を知るメリット
1.卵胞期(生理後~排卵まで)
2.排卵期
3.黄体期
4.月経
・ホルモンバランスが乱れる原因
・ホルモンバランスの乱れで起こる不調
・ホルモンバランスの乱れによる生理不順
1.食生活
2.運動
3.睡眠
4.楽しみなことをつくる
生理周期による変化
1.卵胞期(生理後~排卵まで)
卵巣の中の卵子のもと(卵胞)が成熟しはじめ、エストロゲンがたくさん分泌されます。その影響で子宮内膜が徐々に厚くなりはじめます。
身体は新陳代謝が良くなり、むくみがとれるためからだが軽くなりダイエットに効果的な時期です。
肌や髪の調子が良くなり、スキンケアの効果も一番感じやすいので新しい化粧品を試すのにぴったりの時期です。
ココロの状態も安定し、プラス思考で前向きな気持ちになるため、新しいことを始めたり、手つかずだった勉強や家事がはかどる時期です。
2.排卵期
卵胞が十分に育つと卵胞から卵子が排出されます。これを排卵といいます。排卵日が近づくと普段はさらっとちているおりものが粘り気を帯びてきます。これは精子が粘液を通過し受精するための準備によるものです。
また、排卵時に卵巣被膜が破れて下腹部に痛みを生じることがあります。排卵痛といって毎月痛みを感じる方や出血がある方もいるようです。痛みが強い場合は婦人科を受診しましょう。
身体はホルモンバランスの急な変化により、感情の起伏が大きくなることがあります。
エストロゲンの分泌も少なくなるので、お肌の調子も徐々に不安定になってきます。
3.黄体期
排卵後の卵胞が黄体に変化し、この黄体からプロゲステロンが多く分泌されます。その作用で子宮内膜を厚くし妊娠に適した状態になります。食欲のコントロールがしにくく、身体に水分を貯める傾向になるため、むくみやすく体重が増えやすい時期。
ダイエットも効果が出にくく激しい運動は負担になるため、ヨガやストレッチなどがおススメです。
胸のハリや異常なほどの眠気など体の不調が出ることがあります。ココロの状態も不安定になりやすい時期で、いらいらしたり憂鬱だったりとストレスを感じやすい時期です。なるべく自分の好きなことをしてゆっくり過ごすことがおススメです。
生理前に食欲が増える理由
生理前はセロトニンという脳内分泌が減ると言われています。このセロトニンは精神を安定させる役割、食欲を抑制する作用があると言われていて、生理前にイライラして食欲が増えるのはセロトニンが不足しているからかもしれません。
とくに甘いものが食べたくなるのは、甘いものを食べると一時的にセロトニンの分泌が増え、気持ちも落ち着かせる作用があるためです。
セロトニンの分泌によいとされている行動はまずからだを動かすことです。
一定のリズムで刺激のある運動が効果的で、ウォーキングやサイクリング、家でできることとして掃除機やモップ掛けもいいといわれています。
また質のいい睡眠をとることも効果的です。
寝る前のスマホはやめてラベンダーやカモミールの香りをかぎながらリラックスした状態で寝るといいでしょう。また太陽の光は体内時計を整えるのに効果的で、不規則な睡眠で減少しているセロトニンの分泌を正常に戻すことができると言われています。
4.月経
受精卵が着床しなかった場合、冒頭でお話ししたように不要になった子宮内膜がはがれ生理が始まります。
血の巡りが悪くなり、冷えや頭痛を引き起こし、生理の出血によって貧血気味になり、歩いただけで息切れしたり、めまいやだるさといった症状が出てきます。お肌は血行不良の為くすみやすく、肌荒れは治りにくい状態です。体の不調とホルモンの変化で心身共につらく、誰にも会いたくない、パートナーにつらく当たってしまうという方も多いのではないでしょうか?
不調の原因はホルモンバランスの乱れかも?
生理周期を繰り返す女性はホルモンバランスによって身体やココロの調子が左右されます。
エストロゲンとプロゲステロンの分泌によってホルモンバランスは日々変化していますが、不規則な生活やストレスでホルモンの分泌サイクルが乱れると、生理不順の原因となったり自律神経失調症、婦人科系の病気に発展してしまう恐れもあります。
ホルモンバランスが乱れる原因
ストレス
残業、精神的に緊張する場面が続く、気温の激しい変化など大きなストレスを受けることで脳の機能が低下し、ホルモンを分泌する部位が機能せず、ホルモンバランスの乱れにつながります。
不規則な生活
お酒を飲みすぎたり、食べ過ぎたり、睡眠不足が続いたりすると身体への負担が大きくなり充分なホルモンがつくられずバランスが乱れます。
加齢
性成熟期をこえたあたりから卵巣の働きが低下し、エストロゲンの分泌が減少します。
ホルモンバランスの乱れで起こる不調
女性ホルモンにはコラーゲンやエラスチンを生成を促すため、肌のハリを保ち、しわやシミの予防に役立ちます。肌だけではなく、骨を丈夫にたもったり、タンパク質の代謝にもかかわるため髪の毛にも影響があります。
女性ホルモンが減ると腹部に内臓脂肪がつきやすくなるという症状も…。自律神経とも連動しているため、憂鬱な気分が続いたり、不眠になるなどココロの不調もあらわれます。
<からだ編>
・生理不順
・生理痛がひどい
・頭痛、肩こりがひどい
・無理なダイエットをしている
・むくみやすい
・疲れやすい
<ココロ編>
・イライラしやすい
・気分が落ち込みやすい
・昼間眠いのに、夜眠れない
<美容編>
・ニキビがなおらない
・しわやシミが増えた
・ハリがない
・爪が割れやすい
・ヒゲや顎、すねに濃い毛が生えるようになった
・髪に艶、潤いがなく白髪が増えた
ホルモンバランスの乱れによる生理不順
稀発月経
正常な生理周期は25~38日くらいですが、39日以上間隔があくような長い周期は「稀発月経」といって、卵巣の働きが不十分な場合が考えられます。間隔が長い場合でも排卵があれば妊娠・出産が可能ですが、無排卵の状態になっている場合もあるようです。
頻発月経
逆に月経周期が24日以下の短いサイクルになる場合もあります。
ストレスによるホルモンの分泌が乱れたり、卵巣機能の低下が考えられます。
生理周期について先述したとおり、「子宮内膜を厚くし妊娠に適した状態」には排卵後に分泌されるプロゲステロン(黄体ホルモン)が必要ですが、この働きが不十分な場合、子宮内膜が充分に育たないため、妊娠しにくかったり流産しやすい場合があります。
過長月経
月経期間は普通5~7日で終わりますが、8日以上続く場合もホルモンバランスの乱れが考えられます。
ただし、出血量がふえたり、地にレバー状の塊が混じったり、生理痛がひどい場合は、子宮筋腫や内膜ポリープ、子宮がんなどが原因の場合もあります。
過少月経
経血量が極端に少なかったり、月経期間が2日以内で終わってしまうような場合もホルモンバランスの乱れが考えられます。
ホルモンの分泌が少ないため、子宮内膜が厚くならない、至急の発育が不十分、甲状腺の異常が原因といった場合もあり得ます。月経はあっても排卵がない無排卵月経のケースもあるため赴任の原因にもなりえます。
ホルモンバランスを整える方法
ホルモンバランスを整えて、正常なサイクルを維持するためには規則正しい生活習慣が重要です。
1.食生活
バランスの良い食事をすることが基本です。
女性の体にはコレステロールが不可欠です。食事制限でオイルカットをしている女性もいますが、タンパク質や脂質は重要な栄養素です。お肉や油を制限しすぎると、逆に不調を招いてしまいます。
女性ホルモンに似た物質といわれているイソフラボンの摂取も大事です。納豆や豆腐、豆乳、ミックスビーンズなど様々な食品があるため食卓に取り入れやすい食材ですね。過剰摂取は良くないので適度な量を守るようにしましょう。
2.運動
運動はホルモンバランスや自律神経に影響があります。
身体に負担のかかる運動ではなく、軽いウォーキングなど無理なく続けられる物を選びましょう。ストレッチやツボ押しも効果的です。
3.睡眠
なるべく同じ時間に寝る、起きるというサイクルを心がけましょう。
お風呂は寝る前の90分前までに済ませると、上昇した体温が次第に下がり、すっと寝入ることができます。カフェインの摂取は午前中にし、夕食はねる前の3時間目にすませましょう。
スマホやパソコン、テレビなどのライトは交感神経が刺激されて眠りにくくなるので2時間前には見ないようにしたいですね。
寝る前はじっくりとツボ押しやストレッチでリラックスをすると質のいい睡眠をすることができます。
4.楽しみなことをつくる
心に刺激を与える事は女性ホルモンにとってとても大切です。
映画やドラマ、漫画を見てワクワクしたり、好きな俳優やアイドルをみてドキドキしたり、料理や音楽など自分の好きなことで毎日楽しい気分になることはいい影響を与えますよ。
からだの変化を知るメリット
生理は毎月来るもので、何日に来るかはなんとなく予想できるし周期やホルモンについて深く考えたこともないという女性は少なくありません。
筆者もその一人で、生理痛は酷いものの不順ではなく予定日通りに生理は来るため、女性ホルモンの事や排卵の事、生理周期の事について考えたことはありませんでした。
スマホのアプリで生理の周期を記録はしていましたが、「卵胞期」「排卵期」等の周期についてのお知らせは全くチェックしていませんでした。
でもこの周期を把握しておくことで、異常に眠くなる時やイライラするとき、無性に悲しくなる時でも今は黄体期だからしょうがないと自己嫌悪に陥ることなく対処が出来るようになりました。また体が疲れやすいので、あまり予定を詰めずにゆっくりできるスケジュールにしたりと、自分のからだと心のペースで過ごせるよう調整したりしています。
卵胞期だから美容院の予約をいれておこうとか、大事な話はこの時期に合わせたり、デートの予定を積極的に入れたりなどポジティブな予定も立てやすくなりました。スキンケアや運動・筋トレも周期に合わせて効果的なものがありますし、効果があるタイミングを知ることでモチベーションも上がりました。
また、女性ホルモンは生理周期の間だけではなく、一生の間にも変化が現れてきます。
これから30代、40代、50代になりからだの変化を敏感に感じ取るためにも、通常の自分の生理周期を知っておくのはとても大切なのではないかと私は思います。
この生理周期を知ることによって、毎月の生理痛や、低用量ピルなど女性の体について考えるきっかけにもなりました。
私はそこまで生理痛がひどいわけではないのですが毎月の痛み止めは必須です。生理痛があるのが当たりまえと思っていましたが、低用量ピルで子宮を休めて生理痛を緩和するという治療法もあるようです。
次の記事では「低用量ピル」についてお話しできたらと思っていますので、興味のある方は是非目を通して頂けると嬉しいです。
最後になりましたが、生理周期や女性ホルモンの変化など個人によって様々だと思います。生理前でもイライラしない人や生理痛が軽い人など私の周りの友達だけでも千差万別。ネットの情報や友達の話だけでは分からないことがたくさんです。
生理不順や酷い生理痛で悩まれている方は、一度婦人科の病院に行くことをおススメします。
婦人科の病院は怖い、恥ずかしいという声も聞きますが、一度行ってしまえばこんなものかとあっさり終わるはず。女性医師だけの医院や、婦人科の診察は時間や曜日を限定している病院もあります。ネットで簡単に予約できる病院もあるので、少しでも不安や不調が解決出来たらなと思っています。