子供から大人まで愛されるカレー。近年はスパイスカレーと言ってさらっと食べられるカレーがブームです。そんなスパイスカレーはスパイスがふんだんに使われているため、健康や美容に良いということをご存知でしたか?
夏から秋にかけての季節は気温の変化が激しかったり、夏の疲れが出やすく、胃腸の疲れ、からだがダル重く感じる、免疫力の低下などなど色々な不調が出てくるころです。そんな時こそ栄養バランスが良く、胃腸の調子も良くしてくれるスパイスカレーがおすすめです。カレーのスパイス効果やカレーと合わせてキレイになれる食べ物をみていきしょう。
欧風カレーとスパイスカレーの違いって?
欧風カレーの歴史
日本の過程でよく食べられる「カレー」は欧風カレーで発祥はイギリスです。元はインドからイギリスに伝わりましたが、イギリス人が作りやすいようにアレンジされそれが日本に伝わりました。
日本に上陸当初は洋食屋で提供されるハードルの高い料理だったそうです。その後、日本人の好みに合う日本初のカレー粉が開発され、続いてブロック状のカレールーが発売されました。安くて簡単に作れるカレーは家庭の定番料理になり、筆者も好きな食べ物はずっと家のカレーでした。ただ、この家庭用のルーには小麦粉や油脂がたくさん入っていてダイエットには不向きです。
スパイスカレーの歴史
スパイスカレーはインド料理などでつくられるカレーが元となっていて、ルーは使わずスパイスと食材で作ります。
スパイスカレーが日本に来たのはかなり後で、戦後にインドの商人が貿易のために日本に来るようになり、主に彼らの食生活を支えるものとしてインド料理店が増えたといわれています。なので、船がつく港町にインド料理屋さんが多いんだそうです。
スパイスカレーは少ない油でも低カロリーで十分美味しくつくることができダイエットに向いています。また、ヘルシーに作れるというだけでなく、カレーに含まれるスパイスがダイエットを促進してくれたり、体の不調を整える効果を持っています。
カレーに使われるスパイスの健康&美容効果
スパイスカレーは食べる漢方薬ともいわれています。実際スパイスの中には漢方薬として使われているものもあります。減量効果のあるスパイスや抗酸化作用を持つスパイスもあります。美容と健康にどんな効果があるのか、それぞれのスパイスを詳しくみていきましょう。
ターメリック
カレーの黄色い色付けに欠かせないターメリック。実はウコンなんです。ウコンはお酒を飲む前や二日酔いの日に飲むドリンクという印象がありますが、それはウコンに含まれる「クルクミン」が肝機能を向上させ美肌にも効果大。また抗酸化作用が高くコレステロール値を低くする効果も期待できます。最近では脳機能の活性化にも効果があるとの発表もあり、アルツハイマーや認知症の予防にもなると言われています。
クミン
カレーになくてなならないスパイスがこのクミンです。胃腸にたまったガスを分解し、おなかのハリや腹痛を和らげてくれる効果があります。また消化促進、食欲増進の効果もあり、食欲がない方、胃腸の調子がよくない人にはうれしいスパイスです。
和食にも会うので、シンプルに野菜に和えたり、塩こうじと合わせてお肉に漬けこんだりとカレー以外にも使うことができる万能スパイスです。
コリアンダー
爽やかで軽い香りが特徴のスパイス。原料はパクチーの種ですがパクチーの香りとはまた違います。
こちらもクミンと同じく胃の働きを助けたり食欲促進の効果があります。便秘や下痢など腸のトラブルも緩和してくれるので消化不良の救世主といえるスパイスです。身体にたまった毒素を排出する解毒の作用もあり血栓の予防にもなるといわれています。
カルダモン
「香りの王様」と呼ばれるカルダモンは爽やかな香りが特徴的です。胃もたれを軽減する効果や口臭を予防する効果があり、口内の清涼剤として使われることもあります。
リラックス効果のある香気成分を含んでいるので、気分をお知t加瀬緊張をほぐし、疲れを回復させる働きがあるといわれています。
シナモン
シナモンには身体の冷えを取り、血の巡りをよくする成分が含まれています。冷えからくる肩こりや腹痛、下痢、生理痛に効果があるほか、血の巡りが良くなり、酸素や栄養が細胞までいきわたることでシワやくすみ、目のクマや抜け毛の予防にもなるといわれています。そのほか食欲不振や胃腸のもたれなども改善してくれます。香りは甘さと辛さの両方を持ち、カレーだけでなくお茶やお菓子などにも使われます。
クローブ
肉の臭い消しとしてよく使われるスパイスで、バニラに似た香りを持ちます。胃腸を温める効果や殺菌・鎮静作用があり、漢方薬としても人気のスパイスです。カレーのほかにも中華料理やホットワインに使われています。
フェンネル
フェンネルも消化を助け胃腸にたまったガスを分解してくれる効果があります。利尿・発汗作用によりむくみをやわらげてくれます。口臭を消す効果もあり、インド料理やなどに行くと食後の飴やガムの代わりにフェンネルの粒がサービスされることがあります。
ブラックペッパー
カレーに限らずいろいろな料理に使われるブラックペッパーは香りや味にピリッと刺激を与えてくれます。カレーでは細かく挽かずに粒のまま使うこともあります。健胃、腸内ガスの分解、食欲促進、強精などの効果があります。
レッドペッパー(カイエンペッパー)
辛み成分の「カプサイシン」は体脂肪を燃焼し発汗作用も促すのでダイエット効果があるといわれているスパイスです。唾液や胃液の分泌を促進するので食欲増進、抗酸化作用、老化防止なども期待できます。
ジンジャー
和食や中華料理にもよく使われるショウガは実はスパイスカレーにも使われています。お肉や魚のにおい消しのほか、発汗、健胃、はきけどめ、身体を温める効果があります。
ガーリック
ニンニクも和食や中華料理など幅広く使われる食材です。カレー全体の風味付けとして欠かせないアイテムです。疲労回復、強壮、健胃、整腸作用を持ちます。
チンピ
柑橘類の皮を乾燥させたスパイスで、和食に使われる七味唐辛子や中華料理に使われる五香粉に含まれていて爽やかな香りが特徴的です。
リモネンの効果としてリラックス効果や、ペクチンの食欲不振や吐き気を緩和する効果、整腸作用、リロナールの免疫強化や気分を穏やかに鎮静化し不安を取り除く抗不安効果、ヘスペリジンの毛細血管の強化作用と血流改善による冷え性の改善、中性脂肪の低下作用、コレステロール値の改善作用などなど沢山の効果が期待できます。
ガラムマサラ
ガラムマサラは調味料として耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。これは3~10種類のスパイスがミックスされたものでメーカーやお店によって中身の種類が違います。よく使われるのはカルダモン、コリアンダー、シナモン、クミン、クローブ、ナクメグ、ブラックペッパー等上記で紹介したスパイスが入っています。
上記ではたくさんスパイスの名前をあげましたが、まずは基本のスパイス数種類だけでも美味しいスパイスカレーを作ることができます。スパイスカレーで7キロのダイエットに成功し、簡単なスパイスカレーのレシピを紹介している印度カリー子さんのブログなどを是非チェックしてみてください。
スパイスカレーと相性がいい&きれいになれる食材
大豆製品
大豆製品は血中コレステロールを下げてくれたり、糖質が体内で吸収・分解されるスピードをゆるやかにしてくれます。大豆に含まれるコラーゲンは美容効果も期待できます。
大豆の水煮缶を入れたり、木綿豆腐をお肉の代わり又は一部にすれば量も増えますし、腹持ちもよくなります。
ひよこ豆
カレーによく使われるひよこ豆はタンパク質が豊富で、カロリーと脂質は大豆に比べて少なくなています。ただし糖質はひよこ豆の方が高いので食べすぎには注意です。
鶏肉
鶏肉にはお肌の再生に必要なコラーゲンやビタミンB6が含まれています。骨付きの手羽先や手羽元、手羽中を使えば、ダシもよく出ますしコラーゲンもより摂取出来るのでおすすめです。
またキーマカレーは合い挽き肉が定番ですが、鶏むねのひき肉もあっさりですが美味しいですよ。
抗酸化作用の高い野菜
抗酸化作用の栄養素はビタミンCやビタミンE、ポリフェノール類、ミネラル類などがあります。パプリカ、ブロッコリー、ほうれん草、トマト、じゃがいも、ズッキーニといったカレーによく合う食材に含まれています。カレーだとどんな組み合わせでも合うので沢山摂取することができます。
デトックス効果のある野菜
ダイエットの敵であるむくみは塩分を多くとる食生活でなりやすくなります。カリウムは身体の水分量を保ち、ナトリウムを排出してくれる効果があります。カリウムを含みカレーによく合う食材としてアボカド、茄子、人参、ブロッコリーなどがあります。焼いて添えるだけでも彩り、味ともにおすすめです。
食物繊維が含まれる野菜
スパイス効果で健胃や整腸が十分期待できますが、併せて一緒に合わせる食材にも食物繊維が含まれるといいですね。じゃがいも、人参、セロリ、トマト、ほうれん草、しめじ、大豆、豆腐、ごぼう、カボチャ、ピーマンはカレーにも合って食物繊維も豊富です。
DHAなどの栄養が豊富なサバ缶
カレーにサバ缶?と思うかもしれませんが意外と合うんです。インド料理には魚のカレーもメニューにあるんですよ。脳の働きを高めるDHA(ドコサヘキサエン酸)や血液をサラサラにするEPA(イコサペンタエン酸)、血の中の中性脂肪やコレステロールを調整する不飽和脂肪酸、現代社会で不足しがちなビタミンDといった栄養素が含まれています。
レパートリーが増えるスパイスカレーの魅力
スパイスから作るカレーって難しそうなイメージですが、実はとっても簡単なんですよ。
今までカレーといえば市販のルーを使ったカレーが定番でしたが、スパイスカレーは組み合わせるスパイスによっても味が変わりますし、同じスパイスでも合わせる食材を変えることで違った風味や触感に変化させることができます。
同じ鶏肉でも部位をかえてみたり、上記で挙げたサバ缶を使うことでまた新しい味のカレーに出会うことができます。
基本のスパイスと玉ねぎ、トマトなどの食材を調理してスパイスの素「グレイビー」を作り置きしておけば、あとは食材を加えるだけで色々なレパートリーのカレーを作ることができます。
カレーと同じ食材でタンドリーチキンといったメニューも作ることができるので、献立のレパートリーが増えるのも嬉しいですよね。
レパートリーが多いというのはダイエットの強い味方。毎度同じようなメニューで飽きてしまったという方は、スパイスカレーに挑戦してみるのはいかがでしょうか?
スパイスカレーの魅力まとめ
カレーはおいしくて簡単なご飯というイメージでしたが、さらに健康&美容にもいいなんて一石二鳥どころではありません。お店のスパイスカレーももちろんこだわりがあってとてもおいしいですが、コロナ禍でなかなか外食もできず、おうち時間が増えた今、スパイスカレー作りとダイエットに挑戦してみるのはいかがでしょうか。