からだづくりや妊娠中に「葉酸」の摂取が大切な理由
最近「葉酸」というサプリメントを売り場でよく見かけるようになりました。最近の研究で充分な葉酸を摂取することにより、赤ちゃんの先天性の異常が起こるリスクを減らしたり、心疾患の予防に効果があると期待されており摂取することが推奨されています。特に妊娠をしたい妊活中の女性や妊婦さんは特に摂取したい大事な栄養素です。詳しく見ていきましょう。
どうして必要なの?葉酸の働きって?
葉酸は水溶性ビタミンでビタミンB群に属しています。ビタミンB12と一緒に赤血球をつくるので「造血のビタミン」と言われているようです。
また、DNAなどのタンパク質の生合成を促進し、細胞の生産や再生を助けるのでからだの発育にとても重要なビタミンです。細胞の分裂や成熟にも大きく関係するため、おなかの赤ちゃんにとっては特に重要です。妊娠前から摂取することで赤ちゃんの脳やせき髄の発達異常である「神経管閉鎖障害」のリスクを減らすことができると言われています。
神経管閉鎖障害って?
神経管閉鎖障害とは妊娠の初期に赤ちゃんの脳やせき髄のもととなる神経管が形作られている途中で先天異常が起きてしまうことです。赤ちゃんの神経管は初めは板状ですが、成長の途中で両端がくっついて閉じ管状の形ができます。そして頭の脳は脳に、おしりの方は脊髄になっていくのですがその一部がうまく閉じずに起きてしまう病気が「神経管閉鎖障害」です。
頭側に障害が起こった場合、脳が作られなくなり「無脳症」となってしまい流産や死産に、お尻側に障害が起こった場合、神経障害が起こる可能性が高くなってしまうようです。
葉酸はいつからいつまで摂取すればいい?
妊活中から妊娠初期の葉酸
妊娠を望んでいるなら妊活中から飲むのがおすすめだそうだそうです。というのも赤ちゃんの神経系は妊娠のかなり初期につくられます。先ほどあげた先天異常は妊娠7週間頃までに起きるので、「あれ?妊娠したかも」と妊娠にやっと気づくころです。そのため妊娠に気づいてから飲むのではなく、妊活中に、もしくは妊娠を望んでいる女性なら日常的に摂取しておくことが大切です。
妊娠中期から後期の葉酸
記事の初めで書いたように葉酸は赤血球をつくるのに大切です。赤血球が十分に作られなくなると貧血を起こしやすくなってしまいます。葉酸と共に鉄分も必要です。妊娠中はつわりなどで栄養素を食事で十分に取ることが難しいので、サプリメントでの摂取でもOKです。
出産後の葉酸
出産後にも赤ちゃんにとって葉酸は大事な栄養素です。母乳は血液から作られているので、出産後も葉酸を摂取してお華ちゃんに栄養を届けましょう。
また、出産後のお母さんのからだにも葉酸はとても大事です。出産でダメージを受けたからだの再生や育児へのエネルギーを保つのに必要です。葉酸は細胞を新しく生まれ変わらせる細胞分裂を助ける力があるので、傷口の回復の手助けになります。
葉酸どれくらい摂取すればいい?
もちろん葉酸は妊娠をしていない人にも必要な栄養素です。厚生労働省が提示している「日本人の食事摂取基準」によると、成人が一日で摂った方がいい葉酸の量は240㎍(マイクログラム)と言われています。妊娠を計画している人は一日400マイクログラムの接種が望まれるとされています。
また妊娠中は成人の摂取量240マイクログラムの倍である480マイクログラムの摂取が推奨されています。産後の授乳期には成人の摂取量240マイクログラムに100マイクログラム加えた340マイクログラムの摂取が推奨です。
葉酸の摂取方法
葉酸は野菜や藻類、肉類、野菜類、卵類、乳類、豆類に多く含まれています。葉酸は水溶性ビタミンのため、熱に弱く多く含まれている食品を食べたとしても調理の過程で失われている場合もあります。意識して葉酸の食品を使いつつ、サプリメントで摂取するのがいいかもしれませんね。
葉酸はまとめて多く摂取してもおしっことしてからだから排出されてしまうので、毎日摂取し続けることが大事です。赤ちゃんのからだづくりに必要な葉酸が身からだに蓄えられるのは、葉酸を毎日400マイクログラム摂取してから1ヶ月半といわれています。妊娠を考えているなら早めに、続けることが大切のようですね。
過剰摂取には注意
からだに必要な葉酸ですが、過剰摂取には注意してください。多くとりすぎると葉酸過敏症と言いて発熱、じんましん、かゆみ、呼吸障害などの症状がでてしまうとされています。
葉酸の摂取についてまとめ
最近よく耳にする「葉酸」。どのような栄養素でどれだけからだに必要か分かることができたでしょうか。葉酸以外にも妊娠中の女性には色々な栄養素が必要です。
「鉄分」は妊娠前の約3倍必要になります。お母さんの血液を通して赤ちゃんに栄養が送られるためっつ分の摂取は重要です。
また鉄分の吸収を助ける「ビタミンC」は細胞と細胞をつなげるコラーゲンをつくるためや、皮膚・粘膜の健康を保つためにも必要です。
「亜鉛」は細胞の成長、赤血球づくりにも欠かせない栄養素です。
「カルシウム」は赤ちゃんの骨格作りにとても大切です。摂取量が足らないとカルシウムをお母さんの骨や歯から取られてしまうようです。
色々な栄養素をバランスよく摂取して健康な体作りを心がけましょう。