自分の体の状態を把握できるブライダルチェックって知ってる?
ブライダルチェックは主に結婚や妊娠を考えている女性を対象にした婦人科検診です。妊娠や出産をする際に、影響を与える可能性のある病気の有無を調べることができます。
ブライダルチェックの他に「ブライダル検診」や「プレママチェック」「プレママ検診」という呼び方もあります。
現状、ブライダルチェックの認知度はまだまだ低く、「初めて聞いた」「聞いたことはあるが必要ないと思った」というように、そもそも知らなかった、受けようと思ったことがないという女性がほとんどですが、結婚するしないにかかわらず、子供が欲しいと思っている女性や、結婚を考えているカップル、妊娠を考えている夫婦は受けておいた方がいいようです。どのようなものなのか見ていきましょう。
ブライダルチェックって?
先述したように結婚する前や妊活の前に行う検診の事です。
生活習慣病やホルモンの乱れ、子宮の異常があれば妊活を始めてもなかなか授からない、流産してしまうといったトラブルの原因になってしまいます。
- 自分の身体が子どもを授かることができる状態なのか
- 妊娠に影響を与える疾患がないか
といったことを調べて、いろいろなリスクを減らしておくことが目的です。
ブライダルチェックをおすすめしたいのはこんな方
もちろん子どもを望んでいる女性全てにおすすめしますが、特に
- 生理が不順という方
- 心臓や腎臓に持病があるという方
- 貧血の方
- 風疹や麻疹などの予防接種を受けていない・受けたか分からない方
- 基本の健康診断を定期的に受けていない方
- 太りすぎ痩せすぎの方
- 35歳以上の方
はブライダルチェックを受けておくと安心です。生理不順や貧血など自覚症状があるとわかりやすいですが、自覚症状のない病気等にかかっていることもあるので、私は大丈夫と思わずに検診することをおすすめします。
妊娠や出産に影響を与える疾患って?
お腹にいる赤ちゃんに写る可能性のある感染症や、流産・難産になりやすい病気、先天異常を起こしやすい病気などがあります。
子宮頸がん
子宮の入り口にできる子宮頸がんや、子宮内膜にできる子宮体がんは30代後半の発症率が高い病気です。早期発見できれば治療ができますが、進行していた場合は子宮摘出になリ妊娠を諦めなくてはならない場合もあります。
子宮筋腫
30代だと10人に一人見つかると言われている子宮筋腫。妊娠への影響はそれほどないようですが、5cmを越えると妊娠中に痛みがあったり早産・難産を引き起こすことも。場所によっては帝王切開になる可能性も高くなります。
子宮内膜症
子宮内膜と同じ組織が子宮以外の場所で増えてしまうことです。20代~30代の女性が多く発症し、進行すると癒着が起き、不妊の原因になります。
風疹
妊娠初期に風疹になるとおなかの赤ちゃんの心臓や脳に奇形ができたり、聴力障害や白内障、発達障害などの選定性異常が起こりやすくなります。また流産の可能性も高くなります。
昭和54年~62年産まれの女性は風疹の予防接種が周知されておらず、抗体を持っていない場合があります。風疹抗体価で風疹の抗体がないかを調べワクチン接種をします。妊娠をすると予防接種が受けられないため、妊娠前に調べておくことをおすすめします。
貧血
女性は月経があるため貧血になることが多いです。妊娠するとおなかの赤ちゃんにも鉄分を取られるのでさらに貧血になってしまう可能性があります。出産時に出血もあるため、貧血のない状態で妊娠に臨みましょう。
糖尿病
若い女性で糖尿病にかかることはほとんどないのですが、もしもかかっていた場合胎児に奇形ができる可能性が上がるようです。
乳がん
乳がんは近年20代の若い世代でも発生する可能性があります。飲酒や運動不足、生活習慣の乱れも乳がんの発生を高めると言われており、妊娠前に検診を受けておく必要があります。乳がん検診のマンモグラフィはX線検査なので、妊娠中は受けることができません。
クラミジア
性行為による感染で起こる性感染症です。無症状なので、知らない間に感染している可能性があります。気づか放置すると卵管まで感染が進み不妊や以上妊娠の原因になってしまいます。
梅毒
梅毒も性行為による感染で起こる性感染症です。感染力が高く、母体から赤ちゃんへ感染した場合赤ちゃんの神経や骨などに以上をきたす可能性があります。
甲状腺機能障害
向上羽扇の機能異常により月経に異常をきたすことがあります。不妊や流産の原因になることも。
膠原病(こうげんびょう)
全身の血管や皮膚、筋肉、関節などに炎症が見られる病気で流産や早産のリスクが高くなります。症状があらわれている臓器によって、妊娠可能かどうか異なるため主治医に相談が必要です。
ブライダルチェックの検診内容
ブライダルチェックの内容は血液検査、性感染症検査、女性ホルモン分泌検査、内診・超音波検査などがあり、クリニックでメニューや金額なども変わります。
検査項目としては以下のようなものがあります。
- 問診・内診
- 血液検査
- 超音波検査
- 子宮内膜症検査
- 性感染症検査
- 風疹抗体検査
- がん検査
- 女性ホルモン分泌検査
- 甲状腺機能検査
- 膠原病検査
- 貧血検査
- 各種ホルモン検査
- 肝炎ウイルス検査
例えば婦人科検診では子宮頸がんや子宮と卵巣の状態を内診や超音波で調べます。
性感染症検査では、おりもの検査をしてクラミジアや淋菌、トリコモナスやカンジダにかかっていないか、採血をして梅毒やB型C型肝炎、HIVにかかっていないか調べることができます。
妊娠前に予防接種を考えている方は麻疹、風疹、水疱瘡、おたふくかぜのワクチンを打つことができます。
症状はないけどホルモンなどの状態を確認したい場合は基礎体温を測ったり、ホルモンの基礎値を調べて生理不順などの症状が改善できないか見ることができます。
またCA125といって子宮内膜症があると増える物質を見つける検査や、AMHといって卵巣に元気な卵子がどれだけ残っているか調べる検査をすることもできます。
卵巣は歳を重ねるごとに機能が落ちていきますが、個人差があるため自分の卵巣の状態を知っておくのにおすすめです。
パートナーにもブライダルチェックを
ブライダルチェックは女性に限ったものではありません。不妊の原因は女性だけではなく、半数は男性側にも原因があるためチェックすることをおすすめします。
女性と同じく風疹の抗体検査や性感染症検査、また精液の検査をして精子の量、精子の濃度、精子の運動率や質、精子の形態を調べて精子の能力を見ます。
まとめ
子どもをつくることを望んでいるカップルは検診結果によって、今後のライフプランを見直す必要が出てくると思います。治療に時間がかかるかもしれませんし、ワクチンを接種した場合は2ヶ月ほど否認する必要があります。入籍前後は結婚式や手続き、引越し準備などで何かと忙しくなるので余裕をもってブライダルチェックを受けておいた方がいいかもしれません。
子どもが欲しいと思ったタイミングで焦らずに妊活を始めることができるよう、事前にできるチェックはしておくことをおすすめします。