自分を守る防災グッズで用意しておきたいもの

避難グッズ

日本は豊かな自然に恵まれている一方で地震や台風、集中豪雨や洪水、土砂災害に見舞われやすい国です。特に最近は異常な雨量による河川の氾濫や土砂災害が目立ちます。そんな災害に見舞われた場合、ライフラインが止まった時や避難所生活で使える防災グッズを準備しておくと安心です。
今まで他人事だと思っていたことが、いつ自分の身に降りかかるか分かりません。誰もが被災する可能性があるということを意識し準備は万全にしておきましょう。

防災グッズはどんな時に必要?

家のライフラインである電気・ガス・水道がストップしたときや、家を出て集団の避難所で過ごすとき、家の屋上や二階に避難するとき等に必要です。
防災グッズは被災時に家からすぐ持って出るための非常袋と、避難所生活のための防災袋に分けることができます。
ただし被災時にすぐに家から出るという判断は危険。自宅の倒壊や火災などの発生時にはすぐに避難が必要ですが、状況によっては外に出るより自宅、自宅の二階や屋上で待機した方が安全な場合もあります。
避難所生活は想像以上に過酷なので、自宅が安全なら自宅で待機出来るようライフラインが途絶えても過ごせる準備をしておきましょう。

防災グッズの基本8項目

家計簿と笑顔の女性

過去の災害をみると支援物資が届くのは地震発生から約3日後です。津波や地盤沈下、土砂崩れによる道路の分断などでそれ以上も日数がかかる場合もあります。自治体も混乱しており、支援物資が届いてもすぐに供給されるかもわかりません。飲料水と食糧は10日分を用意しておくのが理想です。

飲料水は出来るだけ多めに

一人あたりの飲料水の必要量は3リットルと言われていてこれを最低10日分そなえるのが理想です。2リットル入りのペットボトルを15本と考えるととても多いですが、安心して10日間過ごすにはこれくらいの量が必要のようです。すぐに避難が必要な際の非常用袋には500mlのペットボトルを最低でも4本は入れておきましょう。水だけだと飽きるので、ジュースやスポーツドリンクなども一緒に用意するのがおすすめです。

食料は避難生活の中でも楽しめるものを

食べる順番は冷蔵食品、冷凍食品、野菜、果物、常温食品、長期保存食品と保存の長さの順に消費します。水なしで食べられるアルファ米は色々な味のバリエーションがあります。肉や魚などたんぱく質がとれる缶詰や温めずに食べられるカレーなどもあるので、なるべく飽きずに楽しめる食料を保存食として用意しておきましょう。
ガスや電気が止まっている場合があるので、カセットコンロとボンベがあると便利です。

懐中電灯や充電式ランタンなどの照明器具

スマホのライトは外の広範囲を照らすには不十分ですし、電池の消費も気になります。両手が空くヘッドライトが災害時には便利です。電気が止まった避難生活ではソーラー充電式のランタンなどもあると便利です。

防災情報を知ることができる情報収集ツール

ラジオやスマホなど、被災時の情報収集には必須です。懐中電灯、USB充電、太陽光充電ができる機能がついたラジオなど多機能に使える情報収集ツールがあります。
スマホはコンセントからの充電が普通ですが、被災時には使えないことが多いです。ソーラーパネル搭載のモバイルバッテリーがあると安心です。天候がすぐれない場合もあるので乾電池も用意しておきましょう。

あなたの身を守る装備品

落下物やガラスの破片などから身を守れるようにヘルメットや粉塵の吸い込み帽子にマスク、瓦礫を触っても手を傷つけない防災手袋等が必要です。また雨が降っている場合は身体を濡らさないようにレインコートを着ましょう。手がふさがってしまう傘はおすすめしません。
また万が一瓦礫に埋もれてしまったなど避難できなかった時のためにホイッスルが必要です。大きな声を出すのが苦手な人や、大きな声を出せない状況でも音で救助を求めることができます。防災用に、人に聞こえやすい音を出す機能のホイッスルも販売されています。
薄くて保温性の高いアルミ製のブランケットも寒さから身を守るために必要です。

貴重品

持ち出し用の貴重品は現金で小銭を多めに持っていきましょう。電気が使えなくなっている場合が多いので、クレジットカードや電子マネーは使えないと思っておいた方がいいでしょう。また現金のほかに運転免許証や保険証があると安心です。日常的に持ち出すものなので、避難袋にはコピーでOKです。
通帳や権利証、印鑑など持ち出せないような貴重品は日に耐えられる金庫や書類ケースに入れておくと安心です。

薬や医療品

けがをする前提で手当てができるグッズは用意しておきましょう。止血パッドや包帯があると安心です。また痛み止めや胃腸薬、持病をお持ちで薬を飲んでいる方は最低でも1週間分の薬を用意しておきましょう。

毎日使う衛生用品

被災時に困るのがトイレです。断水で水が流れないので、簡易トイレなどでしのぐ必要があります。避難所に簡易トイレがあっても長い行列で中々行けなかったり不衛生で行く気にならないという事も。
非常用トイレと水に流せるティッシュペーパーは個人で用意しておくと安心です。簡易トイレと一緒に消臭袋も用意して匂いを防ぎましょう。女性は特にトイレをする場所に困ることもあるかと思うので、大人用のおむつがおすすめです。
歯ブラシも避難時に持っておきたいですが、水の供給が十分でない場合は歯磨きシートや液体歯磨きで代用しましょう。除菌シートやおしりふきシート、顔ふきシートもあれば水がなくても絶えることができます。
女性はこれに加えて生理用品もストックしておきましょう。おりものシートがあれば下着を洗わずにシートを取り換えることでしのぐことができます。
このほか保湿クリームやフェイスパック、コンタクトレンズや洗浄剤など個人で必要なものがあるか確認してください。

その他あると便利なもの

万能ナイフ

缶切りやナイフの他にペンチやプラスマイナスドライバー等がついたアウトドア用の万能ナイフが便利です。

食品用ラップ

ラップはご飯を入れる前のお皿に敷いて洗い物を出さないようにするのに使えます。また保湿や出血時の応急処置、梱包や紐代わりとしても使える優秀アイテムです。

アルミホイル

ラップは日に使うことはできませんが、アルミホイルなら可能。調理時のフライパンや鍋にあらかじめひいておけば汚さずに調理することができます。

耳栓

避難所は多くの人が集まる場所なのでなかなか寝付けないという場合もあるでしょう。就寝時でなくても周りの音が気に障る、静かな場所でなにもかんがえたくないというときにも活躍できます。

アイマスク

避難所生活は馴れない場所での睡眠になりますし、ストレスもあって眠りが浅くなりがちです。少しでも安眠できるようにアイマスクがあれば心強いですよ。

ビニール袋

何かと使えるサイズ違いのものを10~20枚ほど持っていれば安心です。出来れば黒色など色付きのものがあれば、トイレの代わりにもすることができます。また、着替える時や体を拭く際に身体を隠せるポンチョや授乳ケープとしても使うことができます。

マジックペン

荷物に名前を書いたり、メモ書きをする際に活躍します。

スリッパ

土足厳禁の避難所だった場合、足が冷えてしまいます。瓦礫や破片を踏んでけがをしてしまうこともあるので、室内でも履物を履いておくと安心です。

ストレス解消グッズ

避難所生活は大勢の人が集まりますし、これからの事を考えると不安もいっぱいです。心のケアも必要なため、ストレス解消できるグッズを用意しておくといいでしょう。
スマホや携帯ゲームは時間をつぶすのにいいですが、電力の供給が十分でないため読書やリラックスできるオイルなど自分の好きなことでストレス解消できるものを考えてみてください。

女性が避難所で気をつけること

ピルの飲み方

無事避難所にたどり着けたとしても安心できない現状があります。長い集団生活でストレスにさらされ、被災者同士のトラブルが起こってしまうようです。腹立たしいことに東日本大震災の時は、女性が性的被害を受ける事件が頻発したといいます。被害者も加害者も顔見知りで言いだしずらい、大事にしたくないから被害届を出さないといった例もあったようです。
着替えや授乳時など周りの目が気になるけど、わがままと思われるため要望を言いにくいという声もあります。しかしそれはわがままではありません。身の危険を感じた時や、万が一被害にあった時は一人で我慢せずに相談しましょう。

被害にあわないように対策も必要

最悪の事を想定して被害にあわないよう行動することも大事です。
トイレに行くときなどは家族や近くの女性に声をかけ、自分がどこに行くのか共有しあえると安心です。また行動を共にできる人がいればなるべく複数人で行動しましょう。何かあったときのために防犯ブザーやホイッスルを携帯しておきましょう。

避難所生活では女性は特に不自由な生活を送らないといけない場面が多いでしょう。着替えや身体を拭くときなど簡単なついたてはありますが人目が気になります。
ゴミ袋を使って着替え用のケープをつくったり、下着の干し場所にも困ると思うのでおりものシートを取り換えて洗濯の回数を減らしたりなど対策が必要です。

また避難所生活とはいえ美容面でも気をつけたいところ。普段使っている基礎化粧品類は避難袋に用意しておくと安心です。生野菜など食べられなくなるので、ビタミン不足による肌荒れや便秘になりがちなので、サプリメントなどを用意しておくのもいいでしょう。

避難所での下着や服装は防犯を意識して

レース素材や色鮮やかなブラやショーツは避けましょう。干す場所にも困りますし、このブースには女性がいるということを周囲に知らせることになります。
ブラはカップ付きのTシャツやタンクトップを、ショーツはボクサータイプにして一見女性のものに見えないものを用意しておきましょう。素材は化繊のものなど乾きやすい物を選びましょう。日常生活も一目で女性と分からないように髪をまとめて帽子に入れたり、地味で身体にフィットしない服を選びましょう。

まとめ

災害は予期せぬときに起こり待ってはくれません。自分や身の回りの人を守るためにも出来る限りの準備をしておきましょう。食料は賞味期限があるので、備蓄の確認も必要です。賞味期限が近づいた食品を消費するときは、災害時を想定して食べてみると新たな気づきがあるかもしれません。

また携帯電話などは繋がりにくくなる場合があるので、家族やパートナーと連絡が取れなくなることも。共通の待ち合わせ場所や連絡方法を決めたり「災害用伝言ダイヤル」を活用しましょう。

171に電話をかけて伝言を残すときは「1」を、伝言を聞くときは「2」を押し、自分の家の電話番号など決めておいた番号を押すことでメッセージを残したりメッセージを聞くことができます。

避難・防災グッズの用意だけでなく、避難場所の確認や住んでいる地域の防災マップを確認し、避難経路を決めておきましょう。

Written by :
2021.05.25

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