無意識に個人情報を流出しているかも…ネットストーカーに気をつけよう

ストーカー

「SNSに投稿した写真から個人情報を特定された。」
「見知らぬ男性からSNSのアカウントを特定された。」
そんなネットストーキングという特定行為の被害に遭われる方が年々増えているようです。

インスタグラムやツイッター、TikTokやLIVE配信などいろいろなSNSが普及しており、平成29年の時点で全体の約4割の方がSNSを利用しているというデータがあります。
綺麗な景色や映える食べ物などの情報が気軽に知れたり、コミュニケーションツールとしてとても便利ですよね。
ただし、楽しい時間やおいしいご飯を共有していただけなのに、個人情報や住んでいる場所、現在地が特定されてしまうことがあります。尾行などの嫌がらせにとどまらず、自宅侵入や盗撮・盗聴器を仕掛けられるなど深刻な被害にあうことも。何の対策もなく写真を投稿をしているとネットストーキングの餌食にされかねません。どんな点に気を付けるべきか見ていきましょう。

ネットストーキングの被害例

ネットストーカー

塾の帰りに寄ったファミレスのワンショットで…

何気ないよくありがちな投稿ですが、これだけでもたくさんの個人情報が流出する場合があります。
例えば学校の制服でこの写真を投稿していた場合、行っている学校が特定されます。また、レストランのメニューなどが写っていることで、お店の名前を特定することができます。また、内装や窓の外の景色などでどの地域の店舗か調べることも可能です。また、「塾帰りに」というコメントで、塾に通っている曜日や帰宅の時間、さらには塾の場所も特定されかねません。

すごい雷だったけど空に虹がという投稿で…

雷は意外と局地的なもので、この時間帯に鳴った雷は大体この地域だと特定することができます。また虹を写した画像に家の周りがわかる風景が写りこんでいたとしたら、あなたの住んでいる場所を特定するのはたやすいでしょう。天気に関する投稿は雷以外にも、局地的なゲリラ豪雨や電車の遅延状況などがあり、気を付けないといけません。

近所のスーパーでこんなお買い得なお魚を買ったという投稿で…

スーパーマーケット

スーパーマーケットの名前が商品のバーコード部分に印刷されている場合があります。お値段部分を写しただけなのに、近所のスーパーも知られてしまうことに。レシートやスーパーの名前が印字されたレジ袋などから特定できることも。最近はネットでチラシ情報が調べられるので、特売情報を照らし合わせて特定することもできるでしょう。

行きつけのお店をよく投稿していたら…

個人宅の家までは特定されていなくても、行きつけのお店から尾行されて特定されることもあります。行きつけの居酒屋でインスタグラムのストーリーズを投稿した場合、そのお店に行けばあなたを見つけることができます。お客としてお店に向かい、あなたの帰宅時を狙って同じタイミングでお店を出れば自然に尾行することも可能。実際に自宅までつけられ住所を特定され、SNSのDMで自宅の写真が送られてきたという怖すぎる体験をした女性もいるようです。

SNSで特定・身バレする原因はほかにも

上記であげた以外にも個人情報を特定される原因はたくさんあります。最近は携帯電話でも画質の良い写真が撮影できるので、背景やうつりこんだ文字なども細かく見ることができます。普通はうつりこんでいても気にならないものもストーカーにとっては大きな情報になっているかもしれません。

写りこんだ背景に気をつけよう

自撮りする女性

屋外で生活圏内の写真を撮影する際は背景に気を付けましょう。犬の散歩やジョギング・ウォーキング、通勤・通学時など自宅の近くであることをわかるような投稿をSNSにしている人は少なくありません。病院や商店街、飲食店などが写りこんでいれば簡単に生活圏内を特定することができます。
普段何気なく目にしているマンホールは地域特有のデザインのものがあったり、住んでいる自治体名が記載されている場合もあります。川の幅や道路の車線なども、見る人が見れば地域を絞ることができるようなので注意が必要です。

日常の一コマを撮るときは写り込みに気をつけよう

カフェでの風景や勉強中の机など投稿している人をよく見かけますが、パソコンの画面に会社を特定できるような情報が写っていたり、机の上に学校名や名前がわかる教科書やノートが写っていませんか?
家で飼っているペットをリビングで撮ったとき、背景に大会名、フルネームなどが記載された賞状が写っていたなんてことも。

リビングや部屋の風景は普段目にしていて気にならないかもしれませんが、いざ個人を特定しようと注意を向ければたくさん情報が落ちているかもしれません。先述した近所のスーパーのレシートや名札、通院している病院名が記載されたお薬の袋、郵便物、学校名が背表紙に書かれている卒業アルバム、その地域にしかないお店のパッケージ、カレンダーなどなどたくさんあります。

飲食店の写真に気をつけよう

投稿された写真から個人を特定される手口

写っている料理やカウンターの色、食器の特徴をもとにお店を割り出すことが可能です。お店の写真が投稿されたサイトはたくさんあり、その情報を元に照らし合わせるため分析は意外と簡単です。

投稿された写真からアカウントを特定される手口

お店にいるという情報を投稿することによって、SNSのアカウントが特定される危険性もあります。例えば訪れた飲食店で好みの男性を見つけたとします。インスタグラムではお店の位置情報に絞って投稿やストーリーズを見ることができるので、もしその男性がそのお店の位置情報をタグ付けして投稿した場合、アカウントを特定することが可能です。逆もしかり、あなたの投稿でその場に居合わせた見知らぬ男性からアカウントを見つけられてしまう可能性があるという事です。
とはいえ食べたご飯やおいしいお店の情報は共有したいですよね。限られた友人のみの公開にするか、なるべくリアルタイムの投稿ではなく、時差を設けて投稿したほうがいいでしょう。

写真アプリの位置情報に気をつけよう

撮った写真に位置情報をつける設定をしている場合、メールに添付したりiphoneのデータ転送機能AirDrop経由だと、位置情報がそのまま残って送信されます。
撮った場所や時間が残るので旅行などの思い出としてとても便利な機能ですが、例えば家で撮影した写真を取引先にメールで送った際、情報を残したままだと家の場所がばれてしまいます。
初めからその機能を付けないか、送る際に位置情報を外すことができるので忘れずに設定しましょう。

自宅の間取りに気をつけよう

部屋の間取り

屋外だけでなく家の中でも注意が必要です。家の間取りは不動産の賃貸情報サイトなどで誰でも見ることができるため、あなたが何の気なしに載せた家の間取りがわかるような写真と照らし合わせてマンションを特定することができます。また、カーテンや自然光の入り方で部屋の高さまで把握されていたケースもあります。
窓の外に写った木や建物、電柱にも注意。今は地図アプリでマンションの外観も気軽に調べることができるので、SNSに投稿されたいくつかの情報を照らし合わせて家を特定することも簡単なのです。

動画やライブ配信に気をつけよう

動画の投稿にも背景が写りこまないように気をつける必要がありますが、音声にも注意が必要です。救急車の音や電車の音、学校のチャイム、時間をお知らせする音楽や選挙カーの演説などで大通り沿い、線路の近い家に住んでいる、学校の近くといった色々な事がわかります。
ライブ配信だとリアルタイムなので、電車のダイヤで大まかな場所が特定されたという事例もあるようです。

友だちのプライバシーにも配慮が必要

デジタル社会の近年、友だちの写真を許可なくSNSでむやみに公開するのは控えたほうがいいでしょう。自分自身ではネットストーキングに合わないように注意していても、友だちの意識が低いために友だち経由で個人特定されてしまったらとても嫌ですよね。お互いにプライバシーの意識をし、許可なく投稿しないようにしましょう。

また、友だちの子どもの写真にも注意。ついSNSに上げたいという気持ちになると思いますが、子どもの顔をSNSに上げたくないという人はとても増えてきています。名前や裸の写真、幼稚園名などを容易に載せたりしないようにしましょう。
思い出として写真を撮ったりする行為まで億劫になってしまわないように、ネットリテラシーの意識を高く持ち、友だち同士安心して写真を撮ることができるといいですね。

ネットストーカーだけじゃない、SNS投稿への危険

数年前、SNSの情報を元に留守の家を調べていた窃盗犯が検挙されたのはご存じでしょうか。「今から2泊3日で東京出張」「家族旅行で○○に来ました」「○時まで残業確定」などなどSNSでよく見る投稿ですが、こんな投稿は家を留守にしていると公に宣言しているようなものです。

SNSから特定を防ぐための3つの対策

NOジェスチャーをする女性

背景には何も写り込ませない

個人が特定されるような家や職場などで投稿写真を撮る場合は、背景に何も写りこんでいないかチェックしましょう。文字がぼやけていたとしても、補正して読み取れるようになる場合もあるのでトリミングするか絵文字などで隠して投稿するといいでしょう。

限定公開(プライベート公開)にする

信用できる友達のみをフォローフォロワーにし、全体公開にしないことでリスクは減らすことができます。といっても、炎上するような投稿内容など何か問題があった場合、友だちから拡散される可能性もあります。またアカウント乗っ取りやスマホの紛失でいつだれにみられるかわからないという事を頭に置いておきましょう。

発信前に投稿を見直す

基本的なことですがSNSに慣れた私たちは意外と見落としがち。この投稿で誰かが不快にならないか、まだ公表してはいけない情報ではないか、個人が特定されるような内容ではないかなどよく確認しましょう。何かしら理由であなたのアカウントが炎上した場合、ネットで特定されるスピードはとても速く、あっという間に個人情報が拡散されてしまいます。
また、ネットストーカーは過去の投稿もしっかりとチェックします。過去の投稿に特定できるものがないか見直す必要があるかもしれません。

誰がどんな目的で見ているかわからないという事を意識しよう

暗闇でスマホ操作

基本的には友だちや趣味が合う人同士で楽しめるSNSですが、見ず知らずの人の目に触れる可能性があります。

その中には悪意を持って個人情報を特定しようとする人もいるかもしれません。
この人に近づきたい知りたいという気持ちからネットストーキングをしたり、犯罪に悪用するために個人情報を集める人も存在します。

とはいえ、あまり神経質になりすぎてもせっかくのSNSを楽しむことができませんよね。でもSNSに投稿することのリスクを知っているか、理解して対策をしているかでは大きな違いがあります。

これから先SNSなどのネット上に情報が流れるこという事はなくならないと思うので、リスクを減らしつつ楽しめるようにしていきましょう。

Written by :
2021.05.20

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