つらい花粉シーズン到来!コロナ禍における予防・対策とは

鼻を押さえる女性

憂鬱な花粉シーズンが到来。花粉症の人は、「換気したいけど、窓を開けると花粉が入ってくる…」「痒くなった目や鼻を無意識にこすって、新型コロナウイルスに感染したら…」「外出先で咳やくしゃみをすると、周囲の目が怖い…」といった、コロナ禍ならではの不安やストレスを抱えていることでしょう。

今年の花粉症対策は、新型コロナウイルスへの感染リスクを抑えることも考え、例年とは違う工夫が必要不可欠。ここでは、ニューノーマルな花粉症対策についてご紹介いたします。

今シーズンの花粉対策は例年以上にしっかりと

スギ花粉

・スギ花粉の飛び始めは、全国的に例年並み
・飛散量は、広い範囲で例年より少なく、九州は非常に少ない
・九州から関東は前シーズン(2020年春)と比べると飛散量が非常に多い所も
(日本気象協会/2021年 春の花粉飛散予測のポイント)

2021年の花粉飛散量(スギ・ヒノキ)は、例年より少なめですが、飛散量が少なかった2020年と比べるとほとんどの地域で多くなる予想で、2倍を大きく上回る地域もあるようです。

新型コロナウイルスへの感染に気づいていない無症状の人が、持病の花粉症による咳やくしゃみなどによってウイルスを拡散する懸念があります。そのため、薬や予防対策で症状をしっかり抑えることが、例年以上に求められます。

花粉症と新型コロナウイルスの症状は似ている

目をおさえる女性

花粉症とは

花粉症とは、スギやヒノキなどの植物の花粉が原因となって、くしゃみ・鼻水などのアレルギー症状を起こす病気です。季節性アレルギー性鼻炎とも呼ばれています。アレルギー性鼻炎は、原因物質(アレルゲン)の種類によって2つに分類されます。現在、日本人の約38.8%*がスギ花粉症だといわれています。
(花粉症ナビ)

花粉が飛ぶ季節になると始まる、くしゃみ、鼻水、鼻づまり。スギやヒノキなどの植物の花粉が原因で生じるアレルギー症状を「花粉症」と呼びます。医学用語では、「季節性アレルギー性鼻炎」。
 現在、日本人のおよそ4人に1人が花粉症だと言われています。
(全日本病院協会)

スギやヒノキ、ブタクサなどの花粉が、鼻の粘膜や目の結膜を刺激することによってアレルギー反応が起こり、鼻水や涙が止まらなくなる疾患。基本的には、原因となる花粉が飛ぶ時期にだけ症状が現れるが、中には複数の抗原(アレルギーの原因となる物質)に対するアレルギーを持っており、1年中症状に悩む人もいる。
(ドクターズファイル)

花粉症と新型コロナウイルスとの見分け方

鼻水、くしゃみ、倦怠感、嗅覚障害といった花粉症の症状は、新型コロナウイルスの症状と似ています。「花粉症の症状だろう」と自己判断することで、新型コロナウイルス感染の発見が遅れ、病状が進行していても気づかない可能性も。万が一、体調不良になったり 異変を感じた際は、以下を参考にしてみてください。

発熱

大きな違いは「発熱」。花粉症でも微熱は出ますが、①熱が37.5℃以上、②熱が数日間下がらないという症状があれば、新型コロナウイルス感染を疑う必要があります。さらに、頭痛、全身の関節痛や筋肉痛、息苦しさなど、例年と違う症状があれば、早めに医療機関に相談しましょう。

目や鼻のかゆみ

「鼻や目にかゆみがあるかどうか」も見極めるための大きなポイント。花粉症では、鼻や目がかゆくムズムズしたり、涙がでること多いのが特徴的ですが、新型コロナウイルスではこのような症状はほとんどありません。

においがわからない(嗅覚障害)

花粉症では、くしゃみが発作的かつ連続して起こり、透明でサラッとした鼻水が出ます。また、鼻詰まりがあり、そのせいでにおいを感じなくなりますが、新型コロナウイルスでは鼻詰まりがないのにも関わらず、においを感じなくなるのが特徴的です。

味がわからない(味覚障害)

「新型コロナウイルスに感染すると味覚の異常を感じやすい」というのはメディアでも取り沙汰されています。花粉症や鼻風邪、インフルエンザでも、味がわかりにくくなることもありますが、発熱や咳、呼吸困難などがなければ、自然に回復する可能性が高いです。

コロナ禍における花粉症対策

手にアルコール除菌スプレーをかける

今年は、新型コロナウイルスへの感染リスクを抑えることも考え、ニューノーマルな花粉症対策が必要です。

目や鼻をかく前に手洗い・手の消毒をする

花粉症では、目や鼻のかゆみが出ます。手指にウイルスが付着した状態で目や鼻を触ったり、こすったりすると、粘膜を介して感染するリスクがあります。人と人の接触だけではなく、ドアノブやスマートフォンなどを触った後も注意しましょう。
目や鼻をかいたり、顔に触れたりすることは無意識に行ってしまうため、止めるのは容易ではありません。そのため、外出先からの帰宅時や調理の前後、食事の前後、トイレの後など、手指衛生の回数をあげて、感染リスクを下げるような心掛けが必要です。

くしゃみに注意

花粉症の方がもっとも注意しなければいけないのはくしゃみ。くしゃみ1回で発生する飛沫の量は、咳の10倍以上と言われています。花粉症の症状にウイルスの感染が加わると、周りへ感染を拡大してしまう危険があります。くしゃみの回数をなるべく抑えるために十分な対策をし、くしゃみを抑えられない場合は、①下を向く、②マスクやティッシュで口や鼻を押さえる、③他人が飛沫を吸い込まないように距離を確保するなどのエチケットを徹底しましょう。
また、感染者がくしゃみや咳を手で押さえた後、その手で周りの物に触れるとウイルスがつきますので、その点も気を付けてください。

予備のマスクやゴミ袋を携帯する

くしゃみや咳、鼻水といった花粉症の症状によって、マスクは汚れやすくなります。外出する際は、予備のマスクを携帯するようにしましょう。また、使用済みのマスクや鼻をかんだティッシュは感染源となるため、ゴミ袋の携帯も必須です。ゴミ袋はしっかりしばって封をしてください。また、ごみを捨てた後は必ず、必ず石鹸を使って、流水で手をよく洗うことが大切です。

外から室内に花粉を持ち込まない

外から室内に花粉を持ち込まないようにすることが重要です。家に入る前に、髪や衣類の花粉をよく払って落とすようにしましょう。そのあとは手洗い・うがい・洗顔(目の洗浄もしっかりと!)。お風呂でシャンプーをして髪の毛に付着した花粉を洗い流すのも効果的です。

おうち時間の対策

在宅勤務(テレワーク)や外出自粛の影響でおうち時間が増えています。「外に出なければ花粉は大丈夫」と思ったら大間違い。花粉は部屋の中にも大量に飛び交っていて、とくに窓際、床やカーテンなどに付着しています。こまめな掃除機かけや拭き掃除を心がけましょう。カーテンも定期的に洗濯するのがおすすめです。デスクワークの方は、卓上の空気清浄機や加湿器を常備しておくなど、花粉の吸いこみを抑えて、仕事に集中できる環境づくりをしましょう。

無理して換気しない

「コロナ対策=換気」のイメージがありますが、窓やドアを開けると外から花粉が入ります。換気は窓を小さく開けて(10cm程度)短時間にするようにしましょう。時間帯は深夜~早朝がおすすめ。また、レースカーテンを付けると花粉をカットできます。
家族や恋人など身近な人と過ごす場合は、つらい花粉症を我慢してまで換気をする必要があるかどうか話し合って、無理のないように。
空気清浄機を常に稼働する、加湿器などで適切な湿度を保つこといったことでも花粉症対策はできます。

しっかり睡眠を取る

睡眠は健康を維持するためにとても重要ですので、しっかり睡眠を取るという根本的なことにも意識を向けてみましょう。深い眠りを得られないと疲れが解消できず、抵抗力や免疫力が低下してしまいます。長引く新型コロナウイルスによるストレスが溜まりがちな昨今、規則正しい生活をしながら、体調を整えましょう。
(参考記事:人生の3分の1は睡眠時間!快眠環境を整えましょう

オンライン診察の利用も視野に

花粉症の症状がつらく、自分自身で解決できない場合は医療機関へ相談することがおすすめですが、コロナ禍で外出や通院が不安な場合には、オンライン診察という新しい選択肢もあります。ネットなどでオンライン対応している医療機関を調べてみましょう。

コロナ禍における花粉症対策グッズ

眼鏡とマスク

花粉シーズンには、花粉症対策グッズを取り入れるのも一つの手段です。最近ではさまざまなグッズが販売されているので、自分の悩みに合ったものを探してみましょう。

メガネ・ゴーグル

目から体内への花粉侵入を防ぐメガネやゴーグル。通常のメガネでも目の保護になりますが、顔のカーブにフィットし、周囲に枠のあるタイプだとなおさら良いでしょう。また、メガネとマスクを同時遣いする場合は曇りやすいため、曇り止め加工を施したタイプも人気。最近では、飛沫カットに加え保湿機能が付いた眼鏡もあります。普段使用しているメガネをそのまま使いたい方には、メガネにつけて花粉をシャットアウトできる便利グッズ「めがねスキマガード」もおすすめです。

マスク

鼻や口から体内への花粉侵入を防ぐために欠かせないマスクは、顔へのフィット感が高く、隙間ができにくい立体的なものを選ぶことがポイント。花粉をカットするフィルターがついているタイプ、保湿効果の高いタイプ、花粉メガネが曇りにくいタイプなど、花粉症対策用マスクもバラエティ豊か。マスクの外側に塗ることでスギ花粉をガードする「花粉バリアスティック」や、鼻の穴に入れて使う鼻マスク「ノーズマスクピットスーパー」といった商品も販売されています。

バリアスプレー

シュッと一吹きすることで、花粉をブロックするバリアスプレー(スプレータイプの花粉対策グッズ)。衣類やマスクに使えるものや、肌や髪の表面をコーティングしてくれるもの、化粧直しにも使えるものなど種類はさまざま。敏感肌・乾燥肌にやさしく、低刺激のお子様とも一緒に使用できるタイプもあります。コンパクトな商品が多く、外出時にもポーチの中に入れておけるおすすめアイテムです。

鼻洗浄器

手軽に鼻の奥の花粉やほこりなどを洗い流せる鼻洗浄器。鼻洗浄(鼻うがい)はムズムズした不快感が緩和され、新型コロナウイルスの予防にも効果的です。持ち歩きやすい「ハンディタイプ」、鼻に液を送る圧力を自分で調整できる「ピストン式」、集中して鼻洗浄できる「電動式」などのタイプがあるので、自分にに合うものを選びましょう。

花粉払い用洋服ブラシ

洋服に付着した細かい花粉やホコリを除去する花粉払い専用のブラシ。服地を傷めない馬毛などの天然毛タイプがおすすめ。自宅やオフィスに用意し、玄関先でしっかりと花粉をシャットアウトすることで、室内に花粉を持ち込まないようにします。ちなみに、ウール素材の衣類は花粉がつきやすいので、ナイロン素材などツルツルしたものを着用するようにしましょう。

首から下げるグッズ

首から下げて使える花粉症対策グッズも多数。なかでも、首からかけて使用するポータブルタイプの空気清浄機や、ストラップを付けて首から下げたり、胸ポケットなどに付けて持ち歩いたりできる除菌ブロッカー人気で、多数のメーカーから販売されています。

花粉症バッジ

コロナ禍において、公共交通機関などでくしゃみや咳をすると人目が気になります。そんな中で、花粉症であることをアピールできるグッズが登場。「花粉症です」「このセキうつりません」といったメッセージが書かれた「花粉症バッジ」や「花粉症キーホルダー」、マスクに押せる「花粉症スタンプ」などがあります。100円ショップの商品を使って、手軽にハンドメイドできるキットなどもあります。

まとめ

2021年の飛散ピークは2月下旬~3月中旬ですが、ゴールデンウィークまでは注意が必要です。さらに、黄砂も3月~5月に多く飛ぶようです。花粉が多く飛散する日は、できれば外出を控え、どうしても外出をしなければならない時は、花粉症対策グッズを利用して花粉をブロックすることが大切。コロナ禍の2021年、早めの予防と自分に合った対策で、少しでも快適に花粉シーズンを乗り切りましょう。

Written by :
2021.02.21

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