おうち時間のコーヒー飲みすぎに注意!ノンカフェインドリンクのすすめ
昨今の外出自粛やリモートワークでおうち時間が増えて、コーヒーをついつい飲みすぎてしまうという人も少なくないのではないでしょうか?コーヒーブレイクは気分転換やリラックスにはなりますが、カフェインを摂取しすぎると体の不調に繋がることあるため、飲みすぎには注意が必要です。
ここでは、カフェインのリスクと、体にやさしいノンカフェインドリンクについて詳しくご紹介いたします。
カフェインとは
カフェインは、コーヒーやお茶の苦味のもとになる成分です。特に「コーヒーの苦味」というイメージが強いかもしれませんが、コーヒーの苦味成分としてはわき役的存在であり、気持ちをすっきりさせ、「また飲みたい」と思わせるおいしさを生み出す成分でもあります。
(日本コカ・コーラ株式会社)
コーヒーは、適切に摂取すれば、がんを抑えるなど、死亡リスクが減少する効果があるという科学的データも知られていますが、カフェインを過剰に摂取し、中枢神経系が過剰に刺激されると、めまい、心拍数の増加、興奮、不安、震え、不眠が起こります。消化器管の刺激により下痢や吐き気、嘔吐することもあります。
(厚生労働省)
カフェインは、「アルカロイド」という化合物の一種で、コーヒーの苦み成分です。眠気を覚ましたり、集中力をアップさせるメリットがありますが、その分、頭痛、疲労感、胃への負担が増したり、眠りを浅くするといったのデメリットもあるのです。また、カフェインには中毒性があり、知らず知らずのうちに依存症にも陥りやすいと言われています。
カフェインを多く含む食品
カフェインが含まれるのはコーヒーだけではありません。お茶や紅茶、栄養ドリンクなどにもカフェインは含まれており、とくに玉露はカフェイン濃度が高いです。また飲み物以外では、チョコレートやガム、風邪薬や鎮痛剤などにもカフェインが含まれています。
●インスタントコーヒー …… 約60mg
●レギュラーコーヒー …… 約60mg
●玉露 …… 約160mg
●せん茶 …… 約20mg
●ウーロン茶 …… 約20mg
●紅茶 …… 約30mg
●コーラ …… 約10mg
●エナジードリンク …… 約10~80mg
(※100mlあたりのカフェイン含有量)
アメリカ食品医薬品局(FDA)のガイドラインによると、カフェイン摂取量の上限は1日に約400mgまでとされています。コーヒーのカフェイン含有量は、およそ100mlあたり約60mgとされているため、1日あたりコーヒーカップ3~4杯が適量です。
カフェイン依存セルフチェック
コーヒーが不足すると、しんどい、イライラするといったの体の不調はありませんか?以下に当てはまる項目が多いほど、カフェイン依存症の可能性があります。
- 目覚めのコーヒーが欠かせない
- 一日3杯以上コーヒーを飲む
- コーヒーを飲むと元気が出る
- コーヒーを飲むと落ち着く
- コーヒーが不足すると頭痛が起こる
- 体の調子が悪くてもコーヒーが飲みたい
- 不安になったり気分が落ち込んだりする
- 動機や息切れなどを感じることがある
- 胃痛、胸痛、吐き気がある
- 水よりもコーヒーを飲む量が多い
- 全然眠れない
カフェイン依存症とは
カフェインを日常的に繰り返し摂取していると、カフェインを摂取しないと眠気や疲労感、集中できない状態になってしまうこともあります。すると、摂取量がどんどん増え、最後には中毒症状を引き起こす量まで増加。これがカフェイン依存症です。
カフェイン依存症の症状
精神症状:焦り、不安、不眠など
身体症状:胃痛、吐き気、動悸など
カフェインのメリットとデメリット
カフェインの効能としては、眠気覚ましなどの興奮作用や尿の排出を促す利尿作用などが広く知られていますが、このほかにも「自律神経の働きを高める」 「集中力を高め作業能力を向上させる」 「運動能力を向上させる」など、様々な効果が明らかになっています。
(全日本コーヒー協会)
カフェインには悪いイメージがありますが、適量摂取する場合にはメリットも多数。眠気を覚まし頭をシャキっとさせる効果をはじめ、注意力・集中力を向上させたり、仕事の効率アップにもつながります。
眠気覚まし&集中力アップ
カフェインは興奮剤の一種。「眠気覚ましの一杯」という言葉もありますが、脳の興奮を抑制するアデノシンという物質の働きを抑える作用があり、眠気を抑え作業効率をアップします。アデノシンが働きを抑える神経伝達物質のひとつには、ドーパミンというやる気を起こさせる物質が含まれているため、集中力や注意力、モチベーションの維持にも役立ちます。
疲労の回復
カフェインは血液の流れをよくし、筋肉の疲労物質である乳酸を体内に溜まりにくくする作用があります。そのため、疲労から回復しやすいと言われています。またコーヒーの香りには、右脳にα波を多く発生させて、緊張をほぐしてリラックスさせてくれるという研究結果もあります。
ダイエット効果
脂肪を分解する「リパーゼ」という消化酵素の分泌を促し、油の分解を助ける働きが期待できます。また、運動前にカフェインを摂取すると、運動中の脂肪燃焼効果が高まる効果も。運動を始める15分前くらいに摂取すれば、その効果が5時間程度持続します。ただし、過剰摂取は体の震えや呼吸困難を引き起こす危険性があるので、適量にしましょう。
利尿作用・むくみ対策
「コーヒーを飲むとトイレが近くなる」という話をよく耳にしますが、カフェインは尿量を増やして水分の排出を促す働きがあります。そのため、細胞内に余計な水分が溜め込まれることによって起こる「むくみ」の対策にもつながります。お酒を飲んだあとに摂取すると、脱水症状を引き起こす可能性があるので避けましょう。
消臭効果
コーヒーに含まれているタンニンには、消臭効果が期待できます。ニンニクの臭いの原因となるアリシンと結びついて分解・吸収し、臭いを抑えてくれる効果があるため、ギョーザやラーメンなどを食べた後にブラックコーヒーがおすすめです。
カフェインのデメリット
カフェインの覚醒作用は、疲労などの「原因」を取り除いているわけではなく、脳の中枢神経を興奮させ、体に無理をさせているだけです。そのためカフェインの作用が切れると、頭痛、集中力の低下、疲労感などのマイナス面があらわれます。また、胃酸分泌促進作用により、胃粘膜傷害を引き起こしやすく、少しのカフェインで胃痛を訴える人もいます。
(ゆたか倶楽部)
カフェインの適量摂取はメリットが期待できる一方で、睡眠や栄養素吸収を阻害するなどのデメリットも多数あります。
腹痛
「コーヒーを飲むとトイレが近くなる」「お腹が痛くなる」というのはよくある話です。カフェインには胃液の分泌を活発にする効果があるので、空きっ腹で消化するものがない状態で大量にコーヒーを飲むと、胃が荒れてしまうのです。ひどい時は下痢、胃炎、胃潰瘍などを引き起こすこともあるので要注意。
貧血
コーヒーに含まれる成分タンニンには、鉄分の吸収を阻害する性質があり、摂取しすぎることで鉄分不足による貧血を招く要因となってしまうことがあります。食事中や食後のカフェイン摂取は控えましょう。また、生理中にコーヒーを飲みすぎると、さらに症状が悪化する危険性がありますので気を付けてください。
睡眠の質の低下
カフェインは眠気覚ましになりますが、その反面、睡眠の質を下げてしまうこともあります。寝る前にカフェインを摂取すると体が興奮状態になり、眠りにつきにくくなったり、また利尿作用でトイレに行きたくて目が覚めてしまうこともあります。体の中にカフェインが入ってから半分になるまで6時間かかると言われているので、寝る時間から逆算してカフェイン摂取量を調整しましょう。
自律神経の乱れ
体を活動させる交感神経に働くカフェインを摂取し続けると、心拍数の増加や血圧の上昇が日常的に続く状態となり、体は常に興奮状態に。そのため、自律神経のバランスを崩してしまい、だるさや気分の落ち込みなどの症状が現れます。
肌への影響
カフェインの効能の一つである利尿作用によって、ビタミンやミネラルが排出されてしまうため、肌の健康を保つための栄養素が不足し、肌荒れを引き起こしてしまいます。また、カフェインはシミの原因であるメラニンを拡散させ、シミの発生・拡大を促す作用もあります。
体臭・口臭・歯の黄ばみ
カフェインは体臭や口臭対策になりますが、大量摂取はNG。コーヒーを飲んだ後にコーヒー豆の微粒子が舌や歯に付着すると、体臭や口臭の原因になります。また、コーヒーには色素沈着しやすい成分が含まれており、ステイン(歯の着色汚れ)が付着しやすくなります。
妊娠中の流産・胎児の障害リスク
カフェインは胎児を守るバリアである「胎盤」を素通りしてしまうため、胎児の脳に蓄積されます。それによって、成長障害、出生児の低体重、小児白血病、早産、または死産と関連する可能性大。妊婦はインスタントコーヒーなら1日1~2杯、ドリップコーヒーなら1日1杯以下が適量と言われています。また、産後は母乳へと移行するので、同様に注意が必要です。
ノンカフェインドリンクとは
ノンカフェインドリンクとは、カフェインが含まれていない飲み物をさし、お茶やハーブティーなどの種類があります。(モノレコ by Ameba)
カフェインにはメリットもデメリットも多数。そこで注目を集めているのが、体にやさしい「ノンカフェインドリンク」。スターバックスやドートールコーヒーなどのコーヒーショップをはじめ、昨今では、ネットショップやコンビニエンスストアでも、子どもや年配の方、妊婦さんでも安心して飲むことができる多種多様な商品が販売されています。
「カフェインを摂りすぎているかも」「依存してるかも」と思ったら、「脱カフェイン」を試みるのもおすすめです。
ノンカフェインドリンクは大きく3種類
ノンカフェイン
カフェインが全く含まれていないもの。
カフェインレス
素材自体にカフェインを多く含まないもののことで、微量のカフェインを含んでおり、カフェインゼロではありません。カフェインを90%以上取り除いたもののみ、コーヒー飲料・レギュラーコーヒー・インスタントコーヒーにのみ、表記記載が許されています。
デカフェ
普通のコーヒーを溶剤に浸すなどしてカフェインを取り除いたもので、カフェインレス同様に、カフェインがわずかに残っていることがほとんど。
おすすめのノンカフェインドリンク
一口に「ノンカフェインドリンク」と言っても、コーヒーをはじめ、紅茶、お茶など種類はさまざまで、それぞれに豊富な健康効果が備わっています。「カフェインレス=美味しくない」というイメージをお持ちの方もいらっしゃると思いますが、昨今では味や香りにこだわった商品も増えています。
たんぽぽコーヒー
焙煎したたんぽぽの根っこから作られるコーヒー。香りはコーヒーに似ていますが、味は濃い麦茶のようなイメージ。冷え性や便秘などの改善、むくみを改善などの効果があります。母乳を出やすくするため、子育て中の加太におすすめ。
黒豆茶珈琲
コロンビア産の豆に黒豆茶をブレンドしたコーヒー。「ノンカフェインコーヒーでは物足りない」という方も満足できる豊かなコクと香りがあります。
麦茶
もっとも身近なノンカフェインドリンク。ミネラルが豊富に入っているので、運動で汗をかいた後や熱中症予防にもぴったり。血液をサラサラにする効果もあります。
黒豆茶
黒豆ならではの香ばしさがあるお茶。麦茶に近い味わいで、子どもでも飲みやすいです。脂質の代謝を促し、むくみや貧血対策の効果もあります。
ルイボスティー茶
アフリカでは「不老長寿のお茶」と呼ばれる、女性に人気の健康茶。美肌効果、血圧を下げる働き、代謝アップやダイエット効果などの健康効果が多数。リラックス効果もあります。
どくだみ茶
薬草として知られるどくだみを使ったお茶。デトックス効果が高く、腸を整え、冷え性や花粉症を予防する働きがあるとも言われています。
カモミールティー
ハーブティーのひとつ。皮膚や粘膜を健康に保つ効果や、免疫力を高めてくれる働き、生理痛の緩和など、さまざまな効果が備わっています。
コーン茶
韓国発祥、ほのかな香りでクセがすくなく飲みやすいとうもろこしのお茶。ビタミンEが豊富で肌の健康を維持したい方にお勧め。むくみ解消や便秘解消などの効果もあります。
まとめ
コーヒーをはじめとするカフェイン飲料には、メリットもデメリットもたくさんあるため、どちらもしっかりと理解しながら上手に付き合っていくことが大切です。
「カフェイン依存しているかも?」と思ったら、体にやさしいノンカフェインドリンクに切り替えてみるのがおすすめ。まだまだ続くリモートワークや自宅での自粛生活、楽しく健康なティータイムを過ごしてくださいね。