冷え症(冷え性)の原因と対策を知って、寒い冬を乗り切ろう

寒そうな女性

もうすぐ2月、いよいよ冬本番。寒さが厳しくなるにつれて、「手足が冷たい」「冷えると温まりにくい」「寒くて眠りにつきにくい」といった体の冷えに関する悩みを抱える人が増加します。「毎年のことだから」「体質だから」と諦めていませんか?「冷えは万病の元」と言われ、放置しておくと、便秘や肩こり、不眠などを引き起こし、免疫力を低下させる可能性もあるのです。
ここでは、冷え性のタイプ、原因と対策について詳しくご紹介いたします。

冷え症(冷え性)とは

防寒してコーヒーを飲む女性

冷え症(冷え性)とは

「暖かい部屋にいても手足が冷たい」「布団の中でも手足が冷たくて眠れない」といったよう に人が寒さを感じない温度なのに手足などが冷たくてつらく感じる症状を冷え性といいます。 実際に体温が低い状態とは違い、また触ると冷たいということでもありません。(健康長寿ネット)

一般に体温を測って36℃未満の人を「低体温」と呼ぶことがありますが、冷え性は「体温が何度以下」、という考え方とはちがいます。冷え性は、「普通の人が寒さを感じないくらいの温度でも、全身や手足、下半身など体の一部や全身が冷えてつらい症状」とされています。(テルモ体温研究所)

冷え症は女性に多い悩みのひとつ。成人女性の半数以上は冷え症で悩んでいるとも言われています。とくに手足の先など体の中心から離れた部分(末梢)や、腰が冷えると訴える場合が多いようです。(ツムラ)

西洋医学的な呼び方「冷え性」、西洋医学的な呼び方「冷え症」。
以前は女性特有の悩みとされてきた冷え症(冷え性)ですが、最近では男性や子どもにも多く見られ、いわば国民病とも言えるようになりました。
私たち人間の体は、自律神経によって体温が一定に保たれるようにコントロールされています。この自律神経のバランスが乱れてしまうことによって、体の末端へ温かい血液が運ばれなくなり、手足などに冷えを感じやすくなります。必ずしも病気というわけではなく体質も関係しており、冷えに敏感な人は、それほど寒くない環境でもこの状態になります。また、自覚症状のない場合もあります。

– 冷え性が引き起こす病気・症状 –
月経不順、無月経、月経困難症、月経前症候群(PMS)、不妊症、更年期障害、アトピー性皮膚炎、気管支喘息、関節リウマチ、腰痛、肩こり、頻尿、膀胱炎、過敏性腸症候群(IBS)、下痢、慢性疲労、不眠など

あなたは大丈夫?冷え性チェック

以下に当てはまる項目があれば、その原因に冷え性が関係している可能性があります。

  • 平熱が35度台
  • お腹を触ると冷たい
  • 肩こり・頭痛・腰痛がある
  • 疲れやすい
  • 顔・手足がむくみやすい
  • 手足は冷たいのに顔が熱い
  • 汗をかきやすい
  • 理由もなくイライラすることがある
  • 不安になったり気分が落ち込むことがある
  • デスクワークが多い
  • トイレに行く回数が多い
  • くま・くすみが気になる
  • ぐっすり眠れない

冷え症(冷え性)のタイプ

困った顔の女性

冷え症(冷え性)は大きく4タイプに分かれ、それぞれに原因が異なります。「四肢末端型と下半身型」「内蔵型と下半身型」といった複合型の場合もあります。

四肢末端型

手足が冷える

運動不足や食事量が少ないなど生活習慣の乱れによって、体内で熱を十分に作り出すことができず、手足へ血液が行き渡らなくなることによって起こります。手足が冷えると同時に、肩こりや頭痛を感じやすく、ニキビ、肌荒れ、月経トラブルにも繋がりがち。

症状が出やすい人:10~20代の女性、痩せ形、過度なダイエット中の人、運動不足

内臓型

お腹の中が冷える、お腹に手を当てると冷たい

「隠れ冷え性」とも呼ばれるタイプで、主にストレスによる自律神経の乱れ原因で起こります。体を冷やす飲食物を摂取しがち、毎日シャワーだけで済ませる、過去に腹部の手術を経験している人などに多い傾向。手足は温かいのに腹部や二の腕に冷えを感じたり、お腹の張りを感じやすくなります。

症状が出やすい人:30代から中高年の女性、肥満気味、運動不足

下半身型

お尻や太ももなど、下半身が冷える

血行が悪く、上半身がのぼせて、主に腰から下の下半身が冷えてしまうタイプ。加齢とともに血管が細くなったり、筋力が衰えることで起こりやすいと言われています。長時間のデスクワークなどによる、お尻やふくらはぎの筋肉のコリによる血行不良が原因。「手は温かく、足は冷たい」場合は要注意。

症状が出やすい人:30代から中高年の男女、平熱が低い人、運動不足

全身型

全身が冷える

ストレスや生活習慣の悪化によって、新陳代謝が低下することによって起こります。冷えているという自覚症状がないケースが多めで、季節を問わず寒さを感じます。慢性疲労や甲状腺の病気などが潜んでいる可能性もあるので、症状がつらい場合は医療機関で検査するのがよいでしょう。

症状が出やすい人:10~20代の男女、高齢者、平熱が35度台

冷え症(冷え性)の原因

マフラーと手袋

冷え症(冷え性)の原因は、生活習慣と大きく結びつくと考えられています。現在、身体の冷えを感じていない方でも、以下に当てはまる項目はありませんか。

運動不足

体内の熱は筋肉が働くことによって作られています。しかし、現代人の多くは体を動かす機会が減っており、筋肉量が落ちて十分な熱を作ることができていません。その結果、基礎代謝が低下して血流が悪くなるため、体温が上がらず体が冷えてしまうのです。また、冷えと同時に、腰痛、肩こりの原因にもなります。
冷え症が女性に多いのは、男性に比べて血管が細く筋肉量が少ないので、血行が滞りがちになるためとされています。

ストレスが多い

精神的なストレス、不安や緊張などによって、体内の血流をコントロールする自律神経が乱れてしまいます。これによって、血の巡りが悪くなって代謝が低下し、知らず知らずのうちに冷え性になっているというケースも少なくありません。夜中に何度も目が覚める、眠りが浅いなどの症状がある場合、自律神経が乱れている可能性が大きいです。

食生活の乱れ

食生活の乱れも冷え症につながります。冷たい食べ物・飲み物が体を冷やすのはもちろん、極端な偏食(脂っこいものの食べすぎ、甘いものの食べすぎ、炭水化物を抜くなど)も冷えにつながります。また、朝ごはんを抜くと、体温が上がらず、血液の循環も悪いままなので、冷えを感じてしまいます。

無理なダイエット

無理なダイエットで食事量が減り、偏った食事をしていると、体内のビタミン・ミネラルが不足してしまい、エネルギーや熱をつくることができなくなってしまいます。また、急激なダイエットはホルモンバランスを悪化させ、貧血の原因にもなります。

エアコンの利用

自律神経が乱れて身体の体温調節機能がうまく働かなくなることも、冷え症の原因の一つ。体温調節機能を低下させる要因として考えられるのが、エアコンです。エアコンの効かせすぎによって室内外の温度差が激しくなると、自律神経の機能が乱れ、体温調節がうまくできなくなり、冷え症を引き起こすことがあります

女性ホルモンの乱れ

女性ホルモン(エストロゲン)は、女性の心と体をコントロールしています。初潮、妊娠・出産、閉経などを経験するタイミングで、女性ホルモンの分泌が乱れると、自律神経のバランスを崩しやすくなります。こうした変化の時期に、生理痛や生理不順などのトラブル、冷え症(冷え性)になりやすいと考えられています。

冷え症(冷え性)にならないために

マグカップを持つ女性

冷え症(冷え性)を改善したいなら生活習慣の見直しが重要なポイントになります。以下を続けることで、少しずつ冷えにくい体へ変化していくことでしょう。

食事に気を付ける

体を冷やす食べ物や飲み物を控え、体を内側から温めてくれる食事を積極的にとりましょう。
体を温める食べ物と言えば生姜が代表的です。そのほか、腸内環境の改善や血流の改善を促す発酵食品、熱エネルギー源となり代謝を上げるたんぱく質、地下で育つもの(根菜類)、血行を良くする働きがあうビタミンE、ビタミンB1などがおすすめ。反対に、きゅうり、トマト、なす、大根といった主に夏野菜は体温を下げてしまう恐れがあるので、控えた方がよいでしょう。
食事時間が不規則だったり、食事回数を減らすと胃腸に負担がかかりますので、一日三食規則正しくバランスの良い食事を心がけましょう。また、よく噛むことが、消化を助け、冷え性対策にもつながります。

体を温める食べ物
鶏肉、ねぎ、たまねぎ、ニンジン、しょうが、にんにく、ごぼう、かぼちゃ、タラコ、にら、れんこん、桃、くるみ、くり、松の実、玄米、もち米、納豆、チーズ
体を温める飲み物
白湯、生姜湯、ほうじ茶、紅茶、生姜紅茶、ココア、チャイ、日本酒、甘酒
体を温める調味料
みそ、からし、酢、山椒、胡椒、黒砂糖、赤唐辛子、シナモン、八角

適度な運動や筋トレをする

体を冷やさないためには、全身の血行をよくして体を温めること、筋肉量の増加が欠かせません。とくに、下半身の筋肉を鍛えることで、冷えにくい体に近づけることができます。まずは、近所を散歩する、エレベーターではなく階段を使うようにするといった簡単なことから始めてみましょう。お風呂上りに、部屋で筋トレやストレッチをするのもおすすめ。運動を行うことで、冷え対策のみならず、引き締まったお尻や太ももが手に入ります。

毎日できるだけ湯船に浸かる

入浴は血液の循環を改善して身体を芯から温めます。シャワーだけで簡単に済ませずに、毎日できるだけ湯船に浸かる習慣をつけましょう。熱いお湯は刺激が強く、のぼせたり湯冷めしたりする可能性があるため、38~40℃のぬるめのお湯にゆっくりと浸かることがおすすめ。体の深部までじっくり温めたほうが、熱が外に逃げにくくなります。ちなみに入浴は就寝の1~2時間前がベスト。入浴はリラックス効果もあるため、自律神経のバランスも整えます。

暖房器具をうまく使う

最も手軽なの使い捨てカイロをはじめ、体を冷やさないためには暖房器具も心強い味方。家ではエアコンよりも、下半身を集中的に温める床暖房やコタツを、オフィスではパネルヒーターやデスクヒーターがおすすめ。また昨今では、USBポートを接続する電気ブランケットやフットウォーマー、充電式ゆたんぽなど、さまざまな冷え対策グッズがありますので、上手に取り入れながら自分の気になる部分をカバーしましょう。

体が冷えない服装を

お腹や腰回り、下半身を冷やさないような服装を心がけましょう。冬場は、手袋、腹巻き、マフラー、毛糸のパンツ、レッグウォーマー、厚めのタイツなどで体温調節してください。また、血管が細くなるのを防ぐため、スキニー、ストッキング、ガードル、下着は締め付けすぎないものがおすすめです。

まとめ

冷え症(冷え性)のは体質も関係しますが、生活習慣の見直しやストレスを減らすことで改善できることもあります。食事、運動、入浴などを工夫して血行を促進し、日常的に体の内側から温めるようにしましょう。

Written by :
2021.01.22

関連記事

BACK